クミダシ碗
クミダシ とは 汲み出し と書く
形からくる名前です
外にむかって開き気味 このカタチを クミダシ と言い
筒状に細く 背の高い品を 湯呑み と呼び分けるんですね
カタチがちがうと 使い勝手もちがう
湯呑み は 片手で握りこんで使う カタチ
クミダシは 両手で持ってあつかう カタチ
あつかう=ちょっと優雅な所作 に見える
両手で持ってあつかう ことで 優雅に見える・・・
抹茶茶碗みたいに
右手で取り上げ
左手のひらに納め
右手のひらを添わせて 両手であつかうカタチ
温かい冷たい をまず 両手で味わうカタチ
ゆったりした お茶の時間
心をゆるめる そのためのカタチ
口から1センチ下で 180cc(一合)が入る
大ぶり お茶を汲み替える手間 が少なくてすむ♪
お茶の色が映える あたかみのある白
うちは 白い陶器がメイン そもそも
なんで 白い陶器を焼くことになったのか
それは アケビの花のおかげ です
これはじめは まったくの無地でした
ただの真っ白い 大ぶりな碗
15年ほども前 新緑のころに
自宅で展示会をすることがあって
来てくださった方を どうもてなそー と考えた・・・
お茶 どーしょー?
ゆっくりしてもらいたいけども
タイヘンすぎるかもしれんしなぁ
お茶ってけっこうイイ値段するしなぁ ←貧乏でした
アケビ茶ってどう? とカミさんの提案♪
うすムラサキ 半透明の花
ホロホロと 風にゆれる
うちのまわりは 山
4月の終わりに たーくさんのアケビの花が咲く
それを摘んで 白い梅酢につけておく
碗に入れて お白湯をそそぐ
淡いムラサキ 数輪の花
雄花も雌花も ゆらゆら
アケビの花の 甘い香り
結婚式とかに行くと 桜湯が出る
お白湯に塩漬けの桜の花
めでたい晴れの日の縁起物 それをアケビの花で
とゆーわけで
アケビの花の うすムラサキを引き立てる
真っ白い碗を作ることになった わけです
還元焼成ではなく 酸化で焼いて あかるい白
大ぶり180cc たっぷり入って 汲み替えの手間すくなく
白湯に浮かぶ アケビの花の広がりが よく映える大きさ
両手でこんもりと持って 白湯のあたたかさ
まず手で味わってもらう 演出
まあるいカタチに口をつけると
かすかにアケビの あまい香り そして キレー♪
これがヒジョーに 好評♪
自分でも エエのんができたなー シンプルの極地
うーん この白をジャマしないテードの絵ってないかな?
そうや この山里のミドリの文様を ちょっとだけ いろいろに
ブドウ クローバー ヤナギ ムギ ワラビ ハギ ヤマボウシ・・・
こうしてうちの定番の クミダシ碗
が できたわけ♪ アケビのおかげ♪
鳥と双葉 鳥と花びら
鳥と流水 イチゴ
税込¥1200 口径9・5センチ 高さ7・0センチ←手づくりなんで
ゆらぎ=誤差が
あります
内側は無地 ですが
イチゴだけ 内にも1粒 かわいい♪
絵付けってのは なごむための記号
花鳥風月 自然 雪月花 風化雪月
美しいニッポンの四季 季節のうつろい
それを 食卓にとりいれるための 記号
大ぶりな湯呑み として使うのが基本やけど
うちでは 小鉢 としても使ってますー♪
赤小花 青小花
税込¥1200 口径9・5センチ 高さ7・0センチ
ちいさな花 ささやかな花 かそけき花 ・・・でも 花
花は命の歌 生きることの その象徴:しるし
小鉢としては 白和え モズク オクラ
醤油をかけても 沁みこまない だいじょぶ♪
クローバー 風ミドリ
ヤマブドウ ヤナギ
税込¥1200 口径9・5センチ 高さ7・0センチ
いろんなミドリ 葉っぱの文様
茶碗蒸し や プリン もこれでやる
アイスクリームやヨーグルト入れて
洋食器とも よく合う
なんなら一人前のスープグラタン焼くための
ココット としてオーブンで焼いてもろても かまいません
ハギ ワラビ
裏面 ムギ
税込¥1200 口径9・5センチ 高さ7・0センチ
糸底=高台に うずまき状の削り目 =つむじ風
うちは屋号が 八風窯 そやから風が吹いてる器 です
しみ込まへんから それで
お茶の味 香りが 変りません
磁器より丈夫 しみ込みなし
電子レンジ・食洗機・オーブン加熱OK
一器多用で使いまわしてくださいませ〜♪
↑ ↑ ↑
夏 五条坂の陶器祭りでこーセツメーしてると お客様が
じゃ♪ ソーメンた食べよう♪ おそば食べよう♪ と言われます
がっ! ダメなんですねー このカタチで 麺を食べるのは ダメ
カタチにはそれぞれ意味と機能がある そのわけは・・・
そばちょこ でセツメーしますねー♪
カタチには意味と機能がある・・・?
底のトコロ 切ってあるのはなんでなんですか?
デザインです
器の底を 糸底とゆーたり 高台とゆーたり
抹茶茶碗やと 畳つきともゆーけど
切り高台=やや高めの高台の一部を三角に切り取ってあると
洗った後 伏せておく 水が流れて早よ乾く←実用の利点
でもあるんですけども 表に絵があって
裏はまったくの無地無文 これではあまりに愛想がない
裏に 切り高台がしてある と
テーブルの上に置いたときに 三角の黒い影がピッと入る
これで モノが締まって見える そーゆーデザイン♪
が・・・切り高台 これ元々は
縄を掛けるために切った んです
やきもん ムカシ紙が高かった時代には ワラで包んで出荷した
こーゆー湯飲みやと 間に切りワラを挟みこんで10個積み上げる
10個に1個 最後の1個だけ高台に4箇所の 切り込みを入れた
そこにワラ縄 ワラビ縄を十文字にまわし掛けて縛り上げ それを
ムシロに巻いて出荷した そやから 切り高台は 縄かけのため
10個に1個だけ 出荷の都合で切った 切り高台なんで
ひょっとするとそれは 他のんより安かったかもしれんねんけど
それを 千利休や古田織部や お茶人さんがおもしろがった
切り高台や 十文字高台や と高台を拝見=鑑賞しておもしろがった
それからは わざと デザインとして切る よーになったんですわー♪
切り高台 その歴史のロマン
400年の時を越えて
いま うちのクミダシ碗にぃ〜♪
はい やきもん豆知識 切り高台の巻 でした♪
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